ブログ名にあるようにアニメと双眼鏡が大好きな管理人としては、この流れに乗っておかねばなりません。
双眼鏡があれば、動物園はさらに最高になりますよ!
■ 動物園向けの双眼鏡
双眼鏡を集めているくらいですから動物は無茶苦茶好きで、近くで興味ある展示があれば見に行っています。特に好きなのは大型ネコ科と両棲類(主に丸いカエル)と鳥(キジやホロホロやフクロウ)。水族館ならサメとマンタと綺麗で鮮やかなの。
今回、けものフレンズという素敵なアニメのお陰で盛り上がりつつある動物園界隈。(この盛り上がりのままに、アニメはうまく着地してほしいですね!)
どういった双眼鏡が推奨されているのかな……と検索してみました。
ですが、2017年02月現在、具体的な名前がほとんど挙げられていません。
バードウォッチング向けや天体観測向けの双眼鏡は、愛好家の人口が多いので見つかるんですけどね……。
わかりました。だったら私が書いてやろうじゃないですか。
動物が盛り上がっているこのタイミングで記事にしないでどうするか!
そこで先日、某キーウィが見れる動物園に十台ほど持ち込んで試して来ました。
一番活躍したのは5倍のとある双眼鏡です。
動物園はバードウォッチングと違い、最初から近くに動物がいます。
そのため、低倍率でも大丈夫……というか高い倍率ではむしろ見づらいのです。アップになりすぎて全体が見れない上に、動かれるとすぐに視界から外れてしまうので。(もちろん、中々近寄ってこない動物や、広い敷地にいる動物、あとは鳥類館だともう少し高い倍率が合う場合が多いです)
ただし、どんなシチュエーションでもこれ一台あれば完璧という双眼鏡はありません。
動物との距離ごとに、オススメの双眼鏡タイプをまとめてみます。
・【至近距離(ケース内の動物)】 Pentax Papilio II 6.5x21
・【近くにいる動物】 低倍率かつ最短合焦距離の短い双眼鏡
・【遠くにいる動物】 7倍か8倍の双眼鏡(できれば最短合焦距離の短いもの)
こう書くと、この条件に当てはまらないものはダメな感じがするかもしれませんが、もし家に双眼鏡があるなら、一度動物園に持っていってみてください。すっごく活躍しますから!(もっとも……ダメな奴は本当にダメなので、まったく活躍しない可能性もありますが……)
その上で、不満に感じた点を、次の一台で補うように買っていけば大丈夫だと思います。
双眼鏡は動物園の素晴らしいお供ですよ!
遠くの動物を間近で見るようになるのは当然として、ピントの問題で動物と人間とを隔てる檻や金網がなかったかのように見える場合があるのが凄く良いです!(双眼鏡では近くにある檻にピントが合わないため、檻がないように見ることができる場合があるのです)
一度体験すると、双眼鏡は手放せません。
次回からは必須のアイテムになると思います。
なお、双眼鏡は普通に覗いただけではピントがあいません。
覗く前に、目幅調整と視度調整を行ってください。
ニコンのページが参考になります。
● Nikon Sport Optics | 双眼鏡の使い方 | CF方式の各部名称と使い方
では、具体的にどの双眼鏡が良いのでしょうか。
それぞれの距離ごとに、オススメの双眼鏡を紹介していきます。
■ 至近距離にいる動物向けの双眼鏡
小さな動物がいるコーナーが一番好きと言う方も多いと思います。
大きくはないケースに入っていることがほとんどなので、双眼鏡を使うまでもない……と思う方も多いと思われるのですが、一度、こちらの機種を試してみてください。
「どうして今までこの商品に出会えなかったんだ!」
──と衝撃をうけると思いますので。
◇ Pentax Papilio II 6.5x21
ペンタックス パピリオは、50cmという至近距離に焦点が合う唯一の双眼鏡です。
意外かもしれませんが、至近距離に焦点が合うというのは、他の双眼鏡にはできないことなんです。
例えば私達も自分の鼻の先を見ようとしても焦点が合いません。それと同じように、遠くを見るために作られた双眼鏡は近すぎる所を観るのは苦手なのです。
この「至近距離を見れる」性能のお陰で、美術館や博物館、自然観察やウォーキング、水族館や爬虫類館、神社仏閣巡りや刀剣展示、フィギュアやコレクションの鑑賞といった趣味のお供に大活躍。
双眼鏡愛好家だけでなく、それ以外の数多のジャンルの愛好家たちに最高のアイテムと讃えられています。
カスタマーレビューに投稿された熱いレビューの数々をごらんください。
◯ カスタマーレビュー(Pentax Papilio II 6.5x21)
さらに、動植物愛好家には嬉しいことに、自宅で飼っている爬虫類や両棲類やアクアリウム、育てている植物や盆栽などを見るのにもピッタリなんです! なにせ、見たものが6.5倍のド迫力になるわけですから! そりゃあスンゴイことになりますよ!(ちなみに、普通の部屋の中をぐるりと見渡すだけでも、小さな妖精になった気分になれます)
手にした人が感動し、また他人にも薦めたくなる双眼鏡。
美術館や博物館趣味の人は、一度使うともう手放せなくなる神機。
それがペンタックス パピリオなのです。
他社から類似商品が出る可能性は少ないでしょう。
特許技術の塊なおかげで、他社が真似することはできません。
ちなみに6.5x21と8.5x21があり、どちらを買うべきかと迷う方もいると思うのですが、断然6.5x21をオススメしておきます。
理由は明るさです。6.5の方が構造上、明るい視界を得られるのです。
あ……至近距離の性能ばかり述べてきましたが、遠くを見ても凄く綺麗ですからね!
PENTAX 双眼鏡 PAPILIOII6.5×21 ポロプリズム 6.5倍 有効径21mm 62001
- 出版社/メーカー: ペンタックス
- 発売日: 2015/02/13
■ 近くにいる動物向けの双眼鏡
さて……。次は「近くにいる動物向けの双眼鏡」を紹介したいと思います。
具体的な双眼鏡名に行く前に、一つ思い出してほしいことがあります。
先程、ペンタックス パピリオの説明の中で、凄く重要なポイントが出ました。
双眼鏡は近すぎる距離に焦点をあわせるのが苦手なんです。
短くて1.5メートル。一般的には3m。長いと5mも離れないとピントがあいません。
動物園の場合、柵から檻まで1メートル前後というものがほとんどでしょう。
そのことを考慮に入れて、双眼鏡を探します。
と、なるとやはりこの機種しかないでしょう。
◆ Sightron Safari 5x20
それがSightron Safari 5x20です。
今回、動物園で最も活躍した双眼鏡です。
五倍という低倍率で、最短合焦距離は2.0m。
遠くが見えるのはもちろん、近くに来た動物にもばっちり焦点が合い、綺麗に見えます。
(実際にはカタログに書かれた2.0mよりも少し短い所にピントが合うようで、立ったまま足もとを見てもピントが合います。おそらく1.5m前後だと思います)
双眼鏡としての能力も高く、すっきりした視界にクッキリした見え味。
立体感も広さも奥行きもあり、明るく覗きやすいです。
絶妙な倍率ゆえに、動物園では他の双眼鏡よりも多くの場所で活躍します。
また、ほとんどの双眼鏡が駄目だった夜行性動物館でも活躍しました。
暗い中でもしっかりと動物たちの姿を捉えることができます。
(夜行性動物館は小さなスペースでの展示が多いため、最短合焦距離が短くないと駄目です。その上で明るさがないと見えづらいため、まともに機能する機種が少ないのです)
サイトロン サファリはかなりの人気機種で、カスタマーレビューにも高い評価が並んでいます。
なのに現在5000円ちょっと。超オトク!(少し前は8000円くらいしました)
◯ カスタマーレビュー(Sightron safari 5x20)
どうしてパピリオよりも活躍したか……なのですが、パピリオの6.5倍という倍率は、大きな体を持つ動物を近くで見るにはほんのすこし大きいのです。近づいて来られると、体の一部しか見えなかったりしますので。
その点、Safari 5x20の5倍という低い倍率は絶妙です。
そもそも、この双眼鏡の名称は「サファリ」。
平原を走る動物たちを見失わないような双眼鏡……という意味でつけられたネーミングなのでしょうが、実際に動物園に凄く合う機種だったというのは面白いですね!
Safari 5x20が品薄の場合もあるでしょうし、もう少し上位の機種が欲しいという方もいるでしょう。
その場合はKENKO 5x20 FMC HGをおすすめします。
持っていないので確実なことは言えないのですが、おそらくSightron Safari 5x20と同じ工場で作られたスペックアップ商品です。(スペック上はsafari 5x20がマルチコート、5x20 FMC HGがフルマルチコート)
あと、safari 5x20の赤が品切れの場合、黒のカラーもありますので、そちらの方も。
■ 遠くにいる動物を見たい場合にオススメしたい双眼鏡
ペンタックス パピリオとサイトロン サファリの二台を持っていれば、動物園のほとんどの状況に対応できると思います。
が……。
好きな動物がいつも少し離れたところにいるのでもう少し倍率が欲しい、という方もいるでしょう。(サファリパークや鳥類園なんかだと、そういうケースが多いです)
そんな方には、八倍の双眼鏡をオススメします。
(八倍より高い倍率──十倍や十二倍や十六倍など──はオススメしません。動物園向けという観点からすると、十倍以上は見づらい場合が多いです。高い倍率は手ブレが起きやすいというのもありますが、倍率が大きいと近くにいる動物の全体像を捉えにくいですし、動かれるとすぐに視界から外れます。それに、倍率が高いと視界がそれだけ狭くなります)
この「遠くにいる動物を見たい場合に便利な八倍双眼鏡」ですが、先に紹介してきたものと違って、選択肢が沢山あります。
基本的には、バードウォッチングでオススメされている双眼鏡がぴったりです。
遠くにいる動物を眺めるのに最適とされている倍率です。
ただし!
すでに、「至近距離での使用にオススメな双眼鏡Pentax Papilio II 6.5x21」をお持ちの場合、8倍双眼鏡を手に入れても、そこまで感動しないかもしれません。(Pentax Papilio II 6.5x21は、普通の双眼鏡としても高いスペックがあるのです。Sightron 5x20とPentax Papilio II 6.5x21は、視界の広さや明るさ、最短合焦距離の短さなどで結構違いがあり、使い分けはハッキリしているのですが、8倍双眼鏡とPentax Papilio II 6.5x21は見え方が意外とかぶります。もちろん、8倍の方が遠くのものが大きく見えるので、8倍もあるほうが当然良いといえば良いのですが……)
以上を踏まえ、この記事では動物園向けに、二機種をおすすめとして選びました。
選んだ理由は、入門編として購入しやすい価格であるということと、最短合焦距離が短めということと、動物園は意外と歩くため、コンパクトなもののほうが良いと考えたことからです。(筋肉に自信のある方や、特定の動物だけが好きとわかっていて余り歩かない方は、見え味や明るさを優先し、その目的に合う機種にされても大丈夫です)
◇ 【予算が5000円前後】 Pentax 8x21 UCF R : タンクローの愛称で知られる低価格双眼鏡の代表機。最初に購入する双眼鏡として充分すぎるほどの見え味がある。2017年02月現在、4000円前後で買えるのが嬉しい。動物園向けとは別に鳥見をしてみたい……と思っているのなら、Safariではなく最初の一台にこちらを買うのもあり。
◇ 【予算が20000円前後】 Kowa BD25-8 : Kowaが誇るコンパクト型の名機。今回紹介してきた機種の中で唯一の防水機。クリアな見え味と高い携帯性が素晴らしい。スペック上の最短合焦距離は短いが、近すぎる場所で実際に使ってみると、左右独立の単眼鏡みたいな見え方になるので注意。日本製。お金があるならオススメ。
■ メイン機の選び方 / 二刀流のすすめ
動物との距離別にオススメの双眼鏡を挙げてきました。
じゃあ、最初動物園に行く場合、どれを買えばいいの……となるのですが……。
安くかつ、一番オールラウンドに活躍するのは、Sightron Safari 5x20だと思います。
五倍という絶妙な倍率。しかも、かなりの至近距離にピントが合います。
広さも奥行きもあり、明るく、しかも見え味が素晴らしいです。
最初に一台購入するなら、これをオススメします。
他に色々な趣味をお持ちの方はPentax Papilio II 6.5x21を!
遠くから近くまで、見ることの楽しさを味あわせてくれる逸品です。
動物園だけでなく、自然観察、美術館、博物館、展示会、神社仏閣やコレクションやペットや水槽や植物を見るのに大活躍します!
コレクターの方は、鉱石、フィギュア、盆栽、刀剣など、手元の美しいものやかわいいものを見るのにも最適です!(本当、双眼鏡の枠を超えた趣味人のための光学機器です)
遠めにいる動物たちが目的なら、8倍の双眼鏡が良いです。
(最初から遠くにしかいない動物たち──例えば、鳥類館の高い場所にある巣にいる雛を見たい時など──を見たい場合は、8倍よりも高い10倍双眼鏡はありです。ただし12倍や16倍は、一般的に手ブレがひどいのでオススメしません。12倍以上は三脚を前提としている双眼鏡です)
この記事ではPentax 8x21 UCF Rを入門機としてオススメしています。
バードウォッチング入門の定番機として各所で推されているされるもの。
低価格なのに見え味は抜群。お財布にも優しいのが素敵です。
なお、上位機種であるPentax 8x21 UPが1000円前後の差なら、8x21 UPの方がいいかもしれません。Pentax発表のグラフを見ると、10%前後見え味が良くなっているようですから。8x21 UPは可愛いカラーバリエーションもありますしね。
何にせよ、まずは双眼鏡を使ってみてください。
そして、存分に楽しんでください。
そうすれば、その双眼鏡に足りないモノ、自分がいちばん見たいものがわかってくると思いますので。
なお今回は、動物園が結構歩く場所であるというのと、二刀流になっても大丈夫という観点から、小さめの双眼鏡ばかり紹介しています。(先にも書きましたが、筋肉に自信のある方は重めの双眼鏡でも大丈夫です)
私の場合、最終的に右ポッケにKowa BD25-8、左ポッケにSightron Safari 5x20というのが一番良い組み合わせだと感じました。(爬虫類館など、至近距離で見るコーナーに寄った時だけ、リュックの中からPentax Papilio 6.5x21を取り出す感じです。……三刀流かもですね……)
二刀流はなかなかいい感じですよ!
同伴の方がいれば、貸し出して楽しめますしね。
★ 今回オススメした双眼鏡たち ★
(上段: ← Kowa BD25-8 と Pentax 8x21 UCF R → )
(下段: ← Sightron Safari 5x20 と Pentax Papilio 6.5x21 → )
■ おまけ:動物園で貸し出されている双眼鏡
◇ 横浜ズーラシアで貸し出されている双眼鏡
ズーラシアのサイトを見ていると、双眼鏡の貸出が行われているようです。
サイトには30mmクラスっぽい双眼鏡の画像があります。(機種は不明)
他にも、ズーラシアを訪れた方のブログを拝見していると、Kenko 8x25 New SGWPとオリンパス 8x40 DPS Iの写真が見つかります。Kenko 8x25 New SGWPはおそらく子供でも扱えるようなものとして選ばれたと思われます。30mmクラスのものと、8x40 DPS Iは大人向けでしょう。
紛失や故障なども考慮に入れて、5000円くらいの色々な機種を購入して置かれているようです。
◇ 東武動物公園で貸し出されている双眼鏡
東武動物園で貸し出されている双眼鏡は、記事を見る限りVanguard Orros 8x32のようです。
この機種は覗いたことがないのでどんな感じかはわかりません。
Vanguardは台湾のアウトドアグッズメーカーで、双眼鏡分野ではEndevar II 8x42が高い評価を受けています。
■ けものフレンズで有名になったVixenの双眼鏡ってどうなのよ?
某所で話題になった一連のツイートでおすすめされていた、Vixen アリーナ H8x21ですが……。
申し訳ないのですが、動物園向けとしてはおすすめしません。
動物園ならサイトロン safari 5x20の方が活躍しますし、同じ8倍を選ぶとしても、Pentax 8x21 UCF Rの方が見え味が良く、かつ安いです。(凄く正直に言うと、アリーナH8x21はカラフルなデザインとコンパクトさが売りの機種であり、見え味はかなり微妙です)
(持っていないのに言ってるだろ、と言われないための証拠写真。青いのがVixen アリーナ H8x21です。赤いのがこの記事超オススメのSightron Safari 5x20。上の黒いのが大きさ比較のためのVixen アスコット ZR 8x42。この記事ではコンパクト型を中心にオススメしていますが、一般的な双眼鏡はドデカイのです)
双眼鏡業界が苦しいのは知っていますし、Vixenさんも応援しているのですが、初めて双眼鏡を買う人たちには、よりコスパが高く、心からオススメできるものを手にしてほしいと思っています。
アリーナH8x21よりも、今回この記事でおすすめしている機種の方が明確に見え味が良いです。(しかも、かなりの差で……)
■ 知恵袋でオススメされている双眼鏡について
知恵袋にはこういう質問があります。
● 動物園で動物の様子を見る為に双眼鏡を購入したいのですが - Yahoo!知恵袋
そこでは、6x30の双眼鏡がオススメされています。
お手軽に買えるのは、Vixen アトレックライト 6x30と、Kowa YF30-6でしょうか。(ちなみに、コーワはあのキューピーコーワゴールドのコーワです。実は世界に名だたる光学機器メーカーなのです)
紹介させていただいた質問の回答者はかなり双眼鏡を使っていることが想像できます。動物園に低倍率双眼鏡は合うため、6x30というのは良い選択だと想います。
ただし、アトレックライト 6x30も、YF30-6も最短合焦距離が長めです。檻の近くに寄ってくる動物が見づらい可能性が高いです。
■ まとめ
双眼鏡があったほうが無茶苦茶楽しめます。
ピントの問題で檻や金網をスルーできることがあるのは本当便利ですし、単純に動物たちの表情や毛並みや動作を詳細に見れるのは感動ものです!
一度双眼鏡を持っていくと、次からはそれなしの動物園は考えられなくなりますから。
では、素敵な動物園ライフを──!